石見地方と柿本人麻呂(10)です。
今回も益田市にある「島根県立万葉公園」の石に刻まれ、看板に書かれていた、柿本人麻呂の歌を、まず載せたいと思います。
原文
青駒之 足掻乎速 雲居曽 妹之當乎 過而計類(一云 當者隠来計留)
訓読 かな
※ 写真をご覧ください。
意味
青駒(あおこま:馬)の歩みが速いので、遠い雲(くも)のかなたに、妻のそころを過ぎて来てしまった。(妻のところは見えなくなってしまった)
解説
柿本人麻呂が石見国(いわみのくに:現在の島根県西部地方)から都へ戻るときに、妻(依羅妹子:よさみのをとめ)を想って詠んだ歌。
この歌は、2つの反歌の内の1つで、もう1つの反歌が見つかれば、それを次回の検索対象にしたいと思います。また、この基となる長歌の方も、探して紹介できれば、と考えます。
それにしても、柿本人麻呂が、妻の依羅妹子を、想う強い気持ちが、1,300年以上も前に書き留められたいうことには、ただただ驚きです。