今回は、柿本人麻呂の写真に収めた長歌を、取り上げようと思いましたが、その「長歌」をはじめ、分からない語句が色々でてきます。それを調べて行くと、また分からない字句が‥。次々と調べが続くことになります。
例えば、柿本人麻呂のことを、以下のように書かれたものがあります。「柿本人麻呂は、奈良時代に活躍した歌人である。出生は不明であるが、歌人としての才能に優れ、上代歌謡と漢詩を融合させた和歌の形式を生み出した」と。
本来、「和歌の形式を生み出した」ことが、重要な部分ですが、その前に出てきた「上代歌謡」や「漢詩」とは‥? となります。
上代歌謡とは
まず「上代」とは、日本史上の時代区分のひとつ。一般的には古代のうちで、日本の文献が残されている時代、すなわち飛鳥時代後期~奈良時代を指す(その以前を指す場合もある)で、この時代の「古事記・日本書記・風土記」などの文献に収められている歌謡。「万葉集」にも歌謡的性格の歌は多い。
すると出てきた「歌謡」とは、何かとなります。‥韻文形式の作品中、特に音楽を伴う口唱文学。ふしをつけてうたう歌。さらに「韻文」とは何かとなりますが、ここで置きます。
ただ、「古事記・日本書記・風土記」や「万葉集」は触れないわけにはいきませんので、あとに触れるとして、その前に「漢詩」です。
漢詩とは
漢字でつづった誌。一句が四言(しごん)・五音(ごごん)、または七言(しちごん)からなるのが普通で、平仄(ひょうそく)・韻脚などの規則がある。からうた。
古事記とは
神話、伝説、歌、系図、口頭伝承、紀元前641年までの半歴史的記述を含む8世紀の本。奈良時代の成立とされる日本最古の歴史書。
日本書紀とは
「古事記」の成立から8年後720年に完成した歴史書。
風土記(古風土記)とは
その地の風土・産物・伝説その他を、地方別に記した書物。狭義には、奈良時代に地方の文化風土や地勢等を国ごとに記録編纂して、天皇に献上させた報告書をさす。風土記と区別して古風土記ともいう。
万葉集とは
奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集である。万葉集の和歌は全て漢字で書かれている。‥
次に、 短歌、長歌、反歌の違いを調べます。
短歌とは
日本固有の誌歌である「和歌」の分類。現在、狭義では「和歌」と言えば、もっぱら「短歌」を指す。
5・7・5・7・7の5句、31音で構成される定型歌。「三十一文字(みそひともじ)」とも言われる。
長歌とは
やっと、長歌です。5・7・5・7音の句が続き、最後が7・7音の句で終わるもの。5音7音の句を3つ以上繰り返し、最後7音で締める構成以外には何の制約もない。
反歌とは
長歌の終わりに添えるうたのこと。(万葉集では旋頭歌1音を除いて全て短歌)。長歌の意を反復・補足または要約するもの。1首ないし数首からなる。「かへしうた」とも。
※旋頭歌とは
5・7・7・5・7・7の6句からなるうたのこと。
歌を取り上げつつ、今回のような調べと解説も加えながら、進んでいきたいと思います。そして、こうした記事を、振り返りながら、再確認・再認識しつつ、また前へ進むようにします。
写真の長歌の意味検索を今回するつもりでしたが、次号にします。